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交通局のご案内

安全向上への取り組み

施設の安全への取り組み

保守事務所(姪浜・橋本)

保守事務所では、お客様に快適な輸送サービスを提供するため、空港線、箱崎線、七隈線が安全・正確に運行できるように、設備を維持管理しています。
保守事務所は姪浜と橋本に拠点があり、レールや道床などの軌道施設を保線係、電車線等の電力設備及び変電所等の変電設備を電力保安係、ATC(自動列車制御装置)や列車無線などの信号通信設備を信通保安係で担当しています。
夜間やトンネル内での作業も多いため、人目に触れることが少なく、なかなか脚光を浴びることはありませんが、縁の下の力持ちとして業務に励んでいます。

巡視業務点検業務保守工事保守用機械保守教育訓練

巡視業務

線路巡視

  • 線路巡視を行う際は,安全を第一に考え、以下の服装の着用および携帯品を所持しています。巡視に向かう際は、点検用ハンマーやスパナなどを持ったまま、営業中の列車に乗り込むこともあるため、見かけた方は驚かれるかもしれません。
服装

ヘルメット / 作業着 / 安全チョッキ / 安全靴 / 手袋(軍手等)

携帯品

笛 / 時計 / 懐中電灯 / 携帯電話またはPHS / スパナ大・小 / 点検用ハンマー

保守事務所では安全で快適な運行環境を守るため、空港線、箱崎線及び七隈線に敷設されたレールや分岐器の保守を行っています。
全てのレールや分岐器を1週間に1度、終電後だけでなく営業時間中にも巡視しています。
1回の巡視で線路内を数キロにわたって歩き、レールや分岐器の傷・摩耗の進行状況の確認に加え、点検用のハンマーを用いて、締結装置や、レールを継ぐ継目板のボルトなどの打音検査を行い、緩みやズレなどの異状がないかを確認しています。

打音検査とは

点検用のハンマーで正常なボルトを叩くと甲高い音がします。しかし、ボルトが緩んでいたり損傷があると音が鈍くなり動いたりします。
巡視を行う係員は、この微妙な音の違いや違和感を検知し、必要に応じてボルトの増し締めや締結装置の交換などを行います。

分岐器点検

分岐器は列車の進行方向を切り換える重要な設備です。この分岐器が損傷すると、脱線にもつながりかねないため、注意して巡視を行う必要があります。
 中でも写真に示す、レールが交差している部分①は先端が薄く、損傷しやすいことから要注意箇所といえます。また②の部分は、進行方向を切り換える際に可動するため、基本レールとの間に異物がないか等の確認も行わなければなりません。

駅巡視

  • 各駅、車両基地、中央制御所には電気室、信通機器室、き電開閉所と呼ばれる機器室があり、定期的に巡回しています。取付計器の数値記録、目視点検などを行い、設備に異常がないかを確認しています。
    また,駅のコンコースやホームでは,照明や誘導灯などの点灯状態確認や、電気器具に破損等が無いことを確認しています。

変電所(発電機・NaS電池)巡視

空港・箱崎線の姪浜、今川橋、中洲、箱崎、榎田の5変電所を巡視しています。点検表をもとに五感による外観点検や取付計器の数値を記録し、設備の異常の有無、動作の良否等を確認しています。また、今川橋、箱崎変電所には、万が一災害等で変電所の受電が停止したときのために非常用電源として発電機設備を設置しています。発電機設備は巡視等で定期的に起動させ、運転状態を確認しています。
また、七隈線橋本車両基地には、NAS電池というNa(ナトリウム)及びS(硫黄)を電池として使用した、非常用大型蓄電池設備が設置されています。これは、七隈線の全変電所が停電したときに、各駅の駅舎照明、消火設備、排煙設備、非常コンセント等へ電気を送ります。

点検業務

電気転てつ機点検

  • 信号設備、通信設備は基準を設けて、定期的に点検を行っています。レール分岐部にある電気転てつ機においては、動作確認はもちろん、電気部品の点検および可動部への塗油を行い、安全確実に動作するよう点検しています。
電気転てつ機とは

転てつ機とは、多くの線路が集合・分岐している箇所で、列車をある線路から他の線路に移動させるための機械です。レール部を分岐器、レールを動かす動力部を転てつ機といい、二つを合わせて転てつ装置といいます。例えば、天神から貝塚方面と空港方面へそれぞれ向かう列車を分けるために、天神中洲間に転てつ装置が設置されています。
電気転てつ機は電気信号により制御されており、出された信号に従って動作します。

電車線点検

  • 電車線は、電車へ直流1500Vの電気を送る重要な設備です。電車のパンタグラフが擦れるトロリ線の摩耗状況や、がいし等の点検、絶縁不良の原因となる汚れや埃を取り除くための洗浄を行っています。なお、営業時間中は、もちろん電気が流れているので、終電後に停電させ、点検を実施します。電車線に異常が発生すると、電車を動かすことが出来ず列車運行に大きな影響を与えてしまいますので、日々の点検が欠かせません。

電気室点検

  • 各駅の電気室は、地下鉄変電所からの交流6600Vの電気を受電し、駅舎にある照明、信号・放送装置、エスカレーター、改札機等の電気設備に電気を供給しています。電気室の機器を、終電後に停電させ、外観検査や機器が正常に動作するかの確認を実施しています。

保守工事

レール削正

列車が走行すると、レールは徐々に損傷・摩耗していきます。損傷・摩耗が進行すると、乗り心地の低下や車内の騒音増加を引き起こし,さらにはレールの寿命の低下にもつながります。
そこでレール頭部を新品レールの形状に近づくまで、年に一度、約8,500mをおよそ40日かけて、砥石で削る作業を行います。この作業をレール削正といい、作業を行う車両をレール削正車といいます。
この作業により騒音・振動の低下、レール寿命の延伸を図っています。


レール削正車保守作業

レール交換

レール削正を繰り返し行うと、レール頭部が徐々に擦り減り形状が変形するため、新しいレールに交換しなければなりません。また摩耗だけでなく、損傷が大きく、レール削正では対処しきれないレールについても交換を実施します。 レール交換作業では、終電後から始発までの短い時間に確実に終わらせる必要があり、また狭いトンネル内に多くの作業員が入るので、入念な準備と緻密な連携が求められます。

剛体電車線・カテナリ電車線トロリー線張替工事

福岡市地下鉄には、剛体電車線(トンネル内)、カテナリ電車線(地上部)の2種類の電車線の敷設方法を適用しています。トロリー線とは、車両の屋根に取り付けられているパンタグラフをしゅう動して電車に電気を送る電車線のことです。電車線点検業務などで電車線の損傷を発見したら、工事で張替えを行って対応しています。

地下鉄の営業中に軌道内で列車の運行を妨げる作業を行うことはできないため、すべて夜間に行っています。終電から始発まで(0:55~4:45)の限られた時間内に作業を終えなければならないため、作業員は効率的に作業を行っています。トロリー線張替工事では、下の写真のように大型の保守用機械を使用して1日に約20名の作業員で約90~210mの電車線を張り替えます。


保守用機械

軌道検測車

軌道検測車は、走行用の車輪とは別に検測用の車輪がついています。この車輪によって、左右レールの間隔や水平方向のゆがみ、1本のレールの高低差、左右レールの高低差といった4項目を、走行しながら検測します。そのため、数十キロにわたるレールを一括して検測することが出来ます。
検測結果は、検測数値と検測した場所を合わせてパソコンに出力できるため、検測後の維持管理を容易にすることが出来ます。


軌道検測車

軌道モーターカー

軌道モータカーは300馬力を誇り、大型保守用機械の牽引や交換用のレールなど重たい物を運ぶ際に使用します。
またクレーンが備えられており,最大約3トンまで吊り上げることができます。幅広い作業が可能なため、業務の中で最も使用機会が多い保守用機械です。
保線係をはじめ、多くの係員が運転資格を取得しており、主に営業時間終了後、実際に運転し、ずい道内を走行しています。


軌道モーターカー

道床洗浄車

  • 道床洗浄車は、レールや道床の洗浄、列車通過時のほこり等の飛散を防止するため、線路の上をおよそ5km/hの低速で、道床やレールに付着する油脂・ほこりなどを、高圧の温水を噴射して洗浄する車両です。  台車、走行装置、制動装置、水タンク、洗浄装置及び電気装置等から構成されています。
    ※ 道床とは、線路を敷設している床面のことです。

電気検測機

  • 電気検測機は、信号のレベル測定、列車無線の通信状況および電車線の高さ測定などを行い、電車が安全に運行できるように点検や検査をしている保守用機械です。 この電気検測機は蓄電池により走行します。

保守教育訓練

レールに大きな損傷や折損があった場合、列車の運行を妨げないように迅速な対応が求められます。限られた時間の中、作業範囲が狭いトンネル内で、迅速にレールの交換や補強といった対応ができるよう、毎年、保線機械器具取扱訓練を実施しています。

レール切断訓練

  • レールを交換する際は、数十m~数km連続するレールの当該箇所を切断する必要があります。
     レールは非常に硬く、また切断面をきれいな垂直にしなければならないため、レール切断機を使用します。機械の取扱いだけでなく、素早くかつきれいに切断できるように訓練を実施しています。
レール切断機とは

レールに切断機を固定し、円盤状の砥石でできているブレードを高速回転させて上から押し付けるようにして使用します。
火花を散らしながら切断するため、使用者の安全はもちろん、周辺に水を撒くなどして火災にならないよう注意する必要があります。
ブレードは摩耗が激しく、数か所切断すると新しいものに交換しなければなりません。

レール穿孔訓練

  • レール折損を発見した際に、側面から継目板を取付けて補強する場合があります。
    この継目板はボルト4本で固定するため、レール側面にボルトを通すための穴を、レール穿孔機であけなければなりません。
    この穴の間隔や形が正確でないと、継目板を取付けられなかったり、レールやボルトに余計な負担がかかるため、正確な作業を行えるように訓練を実施しています。
レール穿孔機とは

レール穿孔機は、継目板を取り付けるための穴をあける機械です。穿孔する際は、正確な位置を決める専用の定規を用い、穴の間隔がずれないようにします。穿孔機についているドリルが高速回転し、レール側面に穴をあけていきます。

レール遊間整正訓練

  • レールは寒暖によって伸縮し、また列車走行によって長手方向に変動します。この変動を調整するため、レールとレールの継目に遊間(すき間)が設けられています。
     そのため、遊間を正しく管理しなければ、レールが湾曲する恐れなどがあります。検査や巡視で遊間を検測し、必要に応じてレール遊間整正器で遊間を調節しています。
レール遊間整正器とは

調整する遊間の両側をアームで固定し、油圧式のジャッキによりアームを伸縮させることによって、遊間を拡大または縮小させて調節します。

停電・凧取・梯子取扱い訓練

  • カテナリ電車線のトロリー線に絡まったビニール袋やハンガーなどの飛来物の撤去作業を行う際に使用する凧取り棒や梯子の取扱訓練を行っています。凧取り棒で取れないような飛来物が飛んできた場合には、感電の危険性が無い竹製の梯子をかけて直接自らの手を使って飛来物を除去します。通常は、電気が流れている場所での作業であり、高所での作業であるため、しっかり訓練を行っていなければ障害発生時に迅速な対応できません。そのため、常日頃から訓練を実施して、いざという時に備えています。
電車線停電作業とは?

電車線停電作業とは、その名のとおり"電車線を停電して行う作業"のことです。地下鉄の電車線には直流1500Vの電気が流れています。そのため、停電作業を行わずに電車線に接近すると感電する恐れがあります。そのため電車線に接近して作業を行う際は、必ず電車線の電気を停電してから、作業員が感電しないように、接地をつけて作業区間に電気が流れないように電気の逃げ道を確保してから作業を行います。 また、機器の誤操作を防ぐためにすべての作業において、操作する機器の指差呼称及びWチェックを行っています。

変電所止水板取扱訓練

  • 大雨による川の氾濫などの水害時に変電所内部へ水が浸入し、電気設備が浸水してしまうと、列車や駅などに電気を送ることができなくなってしまいます。これを防止するために、変電所には止水版が設けられており、変電所の出入口に設置できるようになっています。止水版の保管場所及び取り付け材料、必要工具や設置方法を確認し、水害時に素早く設置できるように訓練を行っています。

直流高速度遮断器操作訓練

  • 変電所には電力指令からの遠隔操作による遮断器の投入が不能となった時のために、代替え処置として、予備の遮断機を設けています。変電所巡視時に遮断機の異常を発見し、緊急点検をすることを想定して、運用中の遮断機から予備遮断機への切替操作方法を習得するために訓練を行っています。
直流高速度遮断器(HSCB)とは?

直流1500Vの電気を電車線へ送電、停電させる機器です。また、電車線で漏電等の電気故障が発生した場合に、直流高速度遮断器にて故障が発生している区間のみ電気を停電させ、停電範囲を最小限に抑える役割も果たしています。なお、直流高速度遮断器(HSCB)に比べ小形・省保守等の特徴を持ち備えている直流高速度真空遮断器(HSVCB)を設置している変電所もあります。

変電所消防設備取扱訓練

  • 変電所内に設置されている火災受信盤等の防災設備についての知識を深め、変電所で火災が起こった際の情報伝達の流れや、火災に関する警報を受けたとき職員がとるべき行動を理解するために訓練を行っています。

電気融雪器取扱訓練

  • 冬季に気温が下がると、分岐器が積雪や凍結により転換不良を起こすことがあります。これを防止するため、姪浜、貝塚、橋本の地上部に分岐部のレールを直接温めて雪を溶かすことのできる直接加熱式電気融雪器を設置しています。これは、あらかじめ機器に設定した温度を下回ると自動的に動作するようになっています。万が一、動作不良が起こったりしたときのために故障時の取り扱い方法やヒーターの取り付け方法を習得するために訓練を行っています。

ガスバーナー取扱訓練

  • 上記にもあるように、冬場になると、分岐器とレールの間に雪が積もり、転てつ装置が正常に動作しない障害が発生することがあります。その際には電気融雪器が投入されます。しかし、電気融雪器が故障で動作しなかった場合には、右の写真のように作業員がガスバーナにて融雪し復旧します。緊急時に安全かつ速やかに対応できるように、ガスバーナー取扱訓練を行っています。
地下鉄なのに雪?

福岡市地下鉄では、姪浜駅、貝塚駅、橋本駅周辺には「明かり区間」と呼ばれる地上の線路区間があります。この明かり区間はトンネル区間よりも天候の影響を大きく受け、雪による障害の恐れがあります。

保守用機械脱線復旧訓練

  • 保守用機械が走行中に万が一脱線した場合、迅速に復旧を行えるよう、脱線復旧訓練を実施しています。車両基地内で、実際に保守用機械を脱線した状態にしたあと、元のレールに戻す訓練です。  ジャッキ、手動ポンプ、りん木、水準器などの復旧用機材についても、役割や設置方法及び操作手順や操作上の注意点を理解することが必要です。

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