「第30回 福岡市都市景観賞」を受賞した建築 4選
【利用する駅】唐人町駅・天神駅・薬院大通駅・櫛田神社前駅
唐人町駅より徒歩6分
大賞を受賞したのは、以前紹介した「鳥飼八幡宮」の式年遷宮。本殿の総建替えは江戸時代半ば以来、拝殿の建替えは205年ぶりです。1800年の歴史ある神社の本殿・拝殿の建て替え計画において、千年単位の時間を見据え、過去から受け継ぎ未来につなぐ素晴らしい景観を醸成しつつある点が高く評価されました。固定観念にとらわれない建築は、未来でも人々から親しまれることでしょう。
「鳥飼八幡宮」の本殿と拝殿は、一級建築士事務所二宮設計が設計。対拝殿と祖霊殿(写真)の設計も手掛けており、対拝殿は2024(令和6)年1月に公表された「第10回福岡県木造・木質化建築賞」の大賞(木造の部)、祖霊殿は「2021年度グッドデザイン賞」を受賞している
天神駅より徒歩3分
市民投票による「市民賞」を受賞したのは、2023(令和5)年6月に全面開業した「福岡大名ガーデンシティ」。ホテル、商業施設、オフィスなどからなる複合ビル「福岡大名ガーデンシティ・タワー」をはじめ、「福岡大名ガーデンシティ・テラス」「福岡大名ガーデンシティ・パーク」「福岡大名ガーデンシティ・ステージ」で構成されています。積水ハウス株式会社、西日本鉄道株式会社、西部瓦斯株式会社、株式会社西日本新聞社、福岡商事株式会社からなる大名プロジェクト特定目的会社がプロデュース、「マリンメッセ福岡B館」を手掛けた株式会社久米設計、「照葉のまちAQUA CORT」を手掛けた株式会社醇建築まちづくり研究所による共同企業体が設計を行いました。「2023年度グッドデザイン賞」も受賞しています。
商業フロア「BIO SQUARE」には18店舗あり、注目のショップや有名なレストランを誘致。地域に住まう人や働く人々、観光で福岡を訪れる人々にとって、日常を豊かにしてくれる店舗が入居している
薬院大通駅より徒歩15分
ランドスケープ部門賞を受賞したのは、2023(令和5)年3月にオープンした「ボタニカルライフスクエア」。一人一花運動の拠点である「福岡市植物園」において、花や緑のあるライフスタイルの発見、発想、発信を生み出すことに活用できる施設です。建築家の瀧光夫さんがデザインした既存の展望台を背景に、植物園との風景と一体となるように建物を配置。2024(令和6)年1月に公表された「第10回福岡県木造・木質化建築賞」の優秀賞(木質化の部)も受賞しました。設計はアトリエサンカクスケール株式会社で、「八女市健康増進施設 べんがら村」のリニューアルなどを手掛けています。
「ボタニカルライフスクエア」のホールとサロンの間にある通路を抜けると「展望台カフェ」がある。ピザやパスタといった食事メニューのほか、アップルパイなどのスイーツもある
櫛田神社前駅より徒歩7分
建築部門賞を受賞したのは、2022(令和4)年12月にオープンした「010 BUILDING」。らせん型の外装が印象的で、建物に表と裏を作らないデザインです。周辺の光を反射するメタルパネルは見る時間や角度によって色やそのフォルムが異なり、昼夜連続的に変化する姿が福岡の水辺に新たな魅力を生み出しています。閉鎖的な大空間であるシアターを上階に持ち上げ、地上階に水辺とまちをつなぐ豊かな公共領域を創出したことも高く評価されました。
「010 BUILDING」にはシアターやバーのほか、「アジアのベストレストラン50」に6度ランクインしている福山剛さんがオーナーシェフを務める「Goh」、「アジアのベストレストラン50」で過去4回1位を獲得したシェフのガガン・アナンドさんと福山さんがコラボした「GohGan」(写真)が入居している
※2024年3月1日現在の情報です
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